• ライブレポート その2 by 坊那須さん

    今回ご一緒させていただいたみいさん・なにわのご隠居さんとは、以前に面識がございました。
    私が「はっぴょう会」に行く予定でいるとお話ししたところ、おふたりもそのおつもりでいると伺いました。そういったわけで、今回ちゃっかり同行させていただくことになったのです。

    その日は快晴で気温も暖かく、まさに「秋晴れ」の日でした。予定より少し早く前橋駅に着いてしまったため、会場まで徒歩でのんびり行ってみました。
    開場時間の13時を過ぎたころ、群馬県生涯学習センターに到着しておふたりと合流。開演の13時半まではまだ時間があるので、ロビーでしばし歓談。おふたりが以前「はっぴょう会」に参加された際のお話など伺って過ごしていました。

    そろそろ入場かな、と思っていた矢先で、ホールから出てきた長身の男性が目に留まりました。しかも、みいさんとお話ししながら我々のほうに歩いてこられる…
    開演前の一番お忙しいであろう時間帯に、岸さんがわざわざご挨拶に来てくださったのです。
    どこからか、私がくっついて行くことが岸さんのお耳にも入ってしまっていたらしく。
    岸さんは私を見るなり、「どうも岸です。ああ、君か!青年は!」と優しくお声掛けくださいました。
    加えて「(私のハンドルネームが)漢字で読み方がわからなかったよ~」と笑いながら一言。
    いやはや、畏れ多いやら、恥ずかしいやら…思いがけないタイミングでご挨拶させていただくことになり、しどろもどろの返答になってしまいました。

    入場に際して受付にて記帳。みいさんに促されるまま、「誰の関係者か」という項目では岸さんのお名前にマル。
    ホールに入ると既に楽器や機材がセッティングされており、客席もすでに半分以上埋まっている状態でした。そしてちゃっかり最前列の中央の席へ。記録撮影用のビデオカメラのすぐ後ろに陣取らせていただいたのでした。

    演目の内容に関しては、みいさん・ご隠居さんの本当に詳しくレポートしてくださっているので、私の方からは全体的なお話を書かせていただきたいと思います。

    一曲ごとにMCを挟みながら、「はっぴょう会」は終始和やかな雰囲気で進行されていました。
    演奏曲はあらかじめプログラムに掲載されていたのですが、リードボーカルはメンバーの方々が交代で担当されていました。それに合わせてほかのメンバーもコーラスを担当されたり、時に楽器を持ち替えたりと、一曲ごとに編成を変えながら演奏されていました。
    曲紹介も主にリードボーカルの方が担当されており、楽曲が制作された背景に加え、楽曲にまつわるエピソードなども披露してくださいました。
    そういうわけで、次の曲が分かっていても「どういった編成で歌われるのだろう?」「どういった意図の選曲なのだろう?」という楽しみがありました。

    MCでは曲紹介に加えて、ご自身の近況や演奏練習での苦労話のお話もあり。メンバーの方々のお人柄や、お互いのご関係が伺えるようなものでした。明らかに部外者の私ですが、勝手ながらメンバーの方々を身近に感じつつ楽しく拝聴しておりました。

    最前列ゆえ他のお客さんたちの様子はわからなかったのですが、皆さん曲に合わせて手を振られたり、軽妙なトークには笑い声が起こったりと非常に楽しまれていたご様子。
    「ほぼみんな70代…」「(この曲は難しいので)今日の目標は全員でゴールすることです」「(床に物を落としてしゃがむと)腰が痛いもんでねぇ…」なんて年齢を引き合いに出したジョークも時折出ていましたが、息のあった素晴らしい演奏でした。
    特に岸さんは、リラックスしてのびのびと歌ってらっしゃる印象を受けました。

    みいさん曰く、今回は以前のはっぴょう会よりも沢山の方がいらしていたそうで、お歌も以前より上達されていた!とのことでした。
    後々伺った話では、メンバーそれぞれにやりたい曲を持ち寄って相談して演目を決めているそう。演目の中ではウクレレやパーカッションなど、楽器を持ち替えている場面もありましたが、これも各々ができる範囲で違った楽器に挑戦しているのだそう。
    中には「今人」の活動のために、ボイストレーニングに行かれている方もいらっしゃるとか…

    「はっぴょう会」に限ってももう11年目ということでしたが、年々新しい趣向を取り入れていらっしゃるそうで、MCでは何点かご案内をいただきました。

    ひとつはメールマガジン。
    ホームページの作成も検討していたそうですが、なかなか難しかったとのことでこういった形になったそうです。岸さんは「今人なりのDX(デジタルトランスフォーメーション)」と仰っていました。
    プログラムに掲載されたQRコードを読み取ってメールマガジンに登録すると、今後の活動の案内が届くとのこと。開催日が掴めずやきもきしていた私にとって、待ち望んでいたサービス!すぐにその場で登録させていただいたのでした。

    ふたつめ、詳しいメンバー紹介。
    プロフィール自体はプログラムにも掲載されていたのですが、第2部の途中で改めて岸さんからおひとりずつのご紹介がありました。
    さらに今回からは、メンバーのひとりにクローズアップして詳しく紹介していくコーナーを設けることに。時間の関係もあるので、一年ごとにひとりずつやっていくとのこと。
    今回はギター&ヴォーカルの浅見正和さん。会場や機器の手配、会計といったことを取りまとめてらっしゃるそうで、岸さん曰く「機嫌を損ねちゃいけない」方とのことだそうで… 笑
    一年にひとりずつだと全員紹介し終えるまであと6年かかるけれど、そうすればみんな今後の「はっぴょう会」も来てくれるよね、ということでした。

    みっつめ、カラオケ教室。
    アンコール直前のMCで、岸さんからお話がありました。今回は実現できなかったのですが、観客に向けた歌のミニレッスンのコーナーを検討されていたそうです。
    岸さん曰く「歌の部品」についてレクチャーをして、お土産としてお客さんに持って帰ってもらおう(習得して帰ってもらおう)という趣旨の企画。
    今回も「ビブラートの出し方」というテーマを考えていたそうですが、残念ながら時間の都合で出来ず。岸さんからは「来年やります!」とのうれしいお言葉。
    自分で歌うことも好きな我々にとって、岸さんからレクチャーしていただけるなど夢のような話で…今後の機会をとっても楽しみにしております。

    加えてYouTubeチャンネル。
    これは後日メールマガジンにてご案内いただいたのですが、YouTubeに「今人」の公式チャンネルを開設されたそうです。
    さっそく確認したところ、これまで岸さんのお名前で使われていたアカウントを引き継いで、「今人」として運用されているようです。18年の「はっぴょう会」の演奏会の様子が新たに数曲アップロードされていました。
    メールマガジンのご案内では「クリップは今後とも、少しずつ増やしていきたいと考えています」とのことでしたが、遠方のファンにはありがたいサービス。ぜひとも永く続けていっていただきたいと思いました。

    バンドとして新しい曲目のレパートリーを増やすだけでなく、活動の幅を広げるためにアグレッシブに新しい挑戦をされていることが素晴らしいと思いました。
    こうした活動への熱意に加えて、楽曲への思い入れを語られたMCからも、皆さん本当に音楽が好きな方々なのだろうということが窺えました。
    私自身、趣味の仲間でコーラスの真似事などをやらせていただいている身としては、非常に刺激を受ける演奏会で、活力を分けていただいた気分でした。
    「はっぴょう会」終演後も余韻は冷めず、みいさん・ご隠居さんとのこおろぎトークに「シュッパ!」と花を咲かせたのでした。

    メールマガジンでは次回の「はっぴょう会」含め、今後の活動についてご案内いただけるとのこと。また機会があれば前橋にお伺いして、演奏と元気なお姿を拝見したいなぁと思いました。