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    MCというか…漫談? ~昔に歌っていた 子どもの歌紹介~

     歌が終わって小林さんが退場されると、舞台には こおろぎだけとなりました。
     そして、さとさんの明るい声が会場内に響きました。「メリー・クリスマス!」
     お客の皆さんは、ふいをつかれたのか、お食事中だったのか、反応が薄かったですね。そこで、「元気ないなあ」とやりなおしです。「メリー・クリスマース!!」 今度は結構反応がありました!
     でも、そこで終わらせる さとさんではありません。次は男性だけ、今度は女性だけ…とパターンを変えつつ、お客との呼びかけ合いをしたのでした。若い人だけとか年寄りだけという、年齢サバ読み心理をくすぐることも忘れていませんでした。(それ全てに答えている こおろぎ女がいたとチクっておきます)

     10歳以下の子ども達に呼びかける場面は感動的でした。昔そのまんまの こおろぎ’73が、そこにいました。パンポロリンのさとクンがいる~と、かむいさんは感動してましたね。さとさんは、声の出せた子にも、出せなかった子にも、ちゃんとコメントを返されていました。子どものいるテーブルを、ちゃんとチェック入れているところが憎いです。ずっと大人の舞台につき合わされていた(?)子どもたちには、その場面が、ドキドキするアクセントになったのではないでしょうか。
     さすがに、そこで「メリー・クリスマス」に加わる こおろぎ女はいませんでしたが、その場のほのぼの感を楽しませていただきました。

     年齢サバ読み心理といえば、生れた時代が分かってしまう歌というのも披露されてましたね。前奏を聞いて、何の歌を連想するかというアレです。今ここで最初にネタバレを書いても、あんまり罪悪感を感じないほど有名な、あの「チャンチャンチャン~♪ チャンチャンチャン~♪」を歌う こおろぎ。そのままのノリで、「青い山脈」前奏になだれ込みました。舞台上を思うままグルグル歩きまわりながら歌う津島さんと岸さんがおかしかったです。歌に入ってからもしばらく歌われたので、プログラムには「青い山脈」と書いておくべき?
     ちなみに、一緒になって「青い山脈」を歌うKanameの横で、草吉くんはジングルベルだと思っていたらしいです。思わぬところに時代の谷間が! ま、まあ、年齢うんぬんは置いておいて、場面状況としては「ジングルベル」が正解ということにしておきましょう。

     呼びかけで会場を温めたところで、グループの紹介がありました。「本当は4人のはずなんだけど、今はひとり足りないから」という言葉がありました。だから、「こおろぎ」の”こ”がなくて「おろぎ」なのだと。ファンがそうであるように、こおろぎの皆さんも 今ここにいないメンバーのことを”足りない”と思っていて下さるのだと分かって嬉しかったです。
     でも、どちらかというと、おくらさんや うえのさんが欠けているのだから、「ころぎ」なのでは…。<そんなオチはいらない

     1973年の頃は高度成長期という話も出ていました。その頃、六本木をブイブイ言わせていたらしいですが、どなたがどうブイブイだったのかは、恐くて聞けません。
     そして、経済右肩あがりの、妙なパフォーマンスも見せてくれました。まず最初に、岸さんが さとさんの言葉にのせて、「右肩あがり、尻すぼみ、くるっとまわって、にゃんこの目」右肩をあげ、お尻をすぼめて、くるっと周り、にゃんこの目をする岸さん。そ、そ、それっていったい何? あっけにとられているうちに、次は津島さんの番です。「右肩あがり、尻すぼみ、くるっとまわっちゃいけません」 そこで、コロンと転がる津島さん。舞台はすっかり”演芸劇場でコント”な臭いプンプンになっていました。こおろぎの皆さんの愛らしい姿が見られてラッキー! でも、会場の反応はどうだったのでしょう? 呼びかけで温まっていたのを、急速冷凍したのでなければいいなと思いました。

     その後、30年前は子どもの歌をいろいろ歌っていました…と、有名と思われる歌の紹介になりました。さとさん、津島さんの歌う主題歌を聞いて、岸さんがその番組名を答えるという形でした。
     まず最初に出てきたのが、さとさんの口ずさむ『てんとう虫の歌』の主題歌、「ぼくらきょうだいてんとう虫」。続いて津島さんが副主題歌の「ぼくらそろって一週間」。
     このままトントンと進むかと思いきや、つまる さとさん。その次の歌がすぐ出てこなかったせいで、津島さんから「ちゃんと(順番を)覚えろよ」と突っ込まれてました。楽屋では、さとさんが津島さんに「覚えろよ」と言っていたそうなんですが、肝心の本番で段取り通りにいかなかった さとさんの負けです。津島さんは、ここぞとばかりに、さとさんの頭を張り倒してました。バシッと。「30年前はぶたれなかったよ」と笑う さとさん。下剋上の日は近いかもしれません。

     気をとりなおして、お馴染みの歌が次々と1フレーズだけ歌われていきました。「元祖天才バカボンの春」「秘密戦隊ゴレンジャー」「がんばれドカベン」「行け行け飛雄馬」。
     ちなみに、この「行け行け飛雄馬」は、『巨人の星』の主題歌ですからね! よく知らない人には、「巨人の星」の主題歌(同じ歌)を歌ったアンサンブル・ボッカも、こおろぎ’73も、同じ印象になりがちなんだそうで…念のため書いておきます。
     それから、少し長めに「おじゃまんが山田くん」もありました。津島さんの「ドラえもん音頭」が始まったとき、後ろによろけている さとさんのリアクションが無言のツッコミで良かったです。続いて『Dr.スランプアラレちゃん』の「ワイワイワールド」。そして津島さんの「明日天気になあれ」。
     「明日天気になあれ」の、「フ~クフク フクちゃん…♪」というサビを聞いて、これが新聞4コマ漫画で有名な「フクちゃん」のアニメ副主題歌だと分かった方、会場に何人いたんでしょうね。この歌は現時点では音源入手困難な1曲なので、それを、ソロを歌われていた津島さん本人が生で口ずさむ現場に立ち会うなんて、気付かず聞き流されるのは非常に惜しい、こおろぎ’73マニアにとっては貴重な、ありがた~い場面だったのですよ!

     それは他の歌にも言えることで、フレーズを聞いて、どこかで聞いたと思う前に次の歌にいくような、そんなテンポの速さでした。何の歌か、何の番組か、記憶と照らし合わせて聞けた方、何人いたのでしょう。そう考えてみると、ここは こおろぎ’73ファン向けなコーナーだったかもしれませんね。いろいろ聞けて嬉しかったです。その反面、せっかくだから、どれか1曲だけでもじっくり聴かせてもらいたいなあ…と、ワガママなことを思ったり…。
     最後に、3人で「おべんとうばこのうた」を振りつきでやってくれました。オリジナル・メンバーの華麗な踊り(?)は、妄想していたとおりでした。そこへ岸さんも加わっていただけるとは! ファンの目から見ると、豪華で貴重なポイントが散りばめられたMCだったのでした。