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  • Goin’ Quackers !

    1982年に発売された「ウォルト・ディズニーの それゆけ!ドナルド!!」は、丸ごと こおろぎ’73(と、森の木児童合唱団)だけのLPレコード・アルバムです。タイトルから分かる通り、ディズニーのドナルド・ダックがメインになったキャラクター・ソング・アルバムで、オリジナルは1980年にアメリカで発売された英語の歌です。オリジナルの方は1995年にCDにもなっています。

    今回は、そのUSA版について書いてみます。もちろん、それには こおろぎ’73は参加していないのですが、聴いたおかげで、こおろぎ’73版に付いて気付いたこともあったので…。

    USA版は、複数の男声(グーフィーやミッキー役も含まれているようです)と児童合唱団で、基本的な雰囲気は同じでした。演奏が同じなので、余計似て聞こえます。
    けれど、弾けっぷりが全然足りません。テンション低いです。こおろぎ’73の異常に元気良い方を先に聴いてしまってるので、物足りなく思えるのでしょう。
    そして、特筆すべきは、グーフィーの笑い声が怪しすぎること!

    1-1. それゆけ!ドナルド Goin’ Quackers
    カズーのような音は、こおろぎ’73がやってるのかと思ったら、オリジナルの方の音だったんですね。
    1-2. ぼくの恋人 I’m in love with a big blue frog
    「ケロン」「テュデュ」の呼びかけコーラスのところ、「ケロン」じゃなくて「frog」って言ってる~。
    1-3. お馬がいく The horses run around
    冒頭、馬のいななき付き。謎の音たちは、ほとんどオリジナル音だったし、いくつかの声は こおろぎ’73の奇声ではないことが判明。なんだ~(残念)
    1-4. わらの中の七面鳥 Turkey in the straw
    全員で歌うサビのところの笑い声の歌詞が不自然すぎて、楽しそうというより胡散臭いです。最後の早口部分を歌っていたグーフィーは舌がもつれてしまいました。
    1-5. ペルーの男 The limerick song
    なんとなく、ヒロ坊ちっくな歌声に聞こえてしまいます。2番の高音声はミッキーでしょうか。
    こおろぎ’73版の3番に入っている謎の声は、オリジナルにはありませんでした。
    1-6. うし蛙のハリス Harris, the bullfrog
    「リビっリビっヒック!」が始まるまでは、正統派カントリーな雰囲気でした。さとさんみたく酔っ払ってないからだ~(苦笑)
    1-7. ワドリン・ダック A waddlin’ crazy guy
    キーコントロールは、されてませんでした。じゃあ、何故に日本語版は…(以下略)

    2-1. 決闘!ドナルド!! Dueling Quackers
    ドナルドとグーフィーのデュエットでした。物足りなさ過ぎ。グーフィーの「ぃやはぃやは、ほほほほほぉ~」という笑い声は怪しすぎ(笑)
    ドナルドの声って、けっこう高かったんですね。津島さんがドナルドに似ているというのは錯覚でした。津島さんのは、普通のアヒルだわ(笑)
    2-2. 父さんのひげ Daddy’s whiskers
    一番ノリの良い歌になってました。児童合唱団も元気一杯。ある意味、一番こおろぎ’73版と近い雰囲気です。
    2-3. 二階の窓から Throw it out the window
    デュエットというより、途中でソロを奪って歌ってしまう…という形らしい…。ひとり、怒ってる人がいます。最後の叫びっぷりが大倉さんそっくり。<逆か…
    2-4. もしぼくが天才だったら If I only had a brain
    津島さんが歌う名曲の元は怪しい犬のソロでした。「あひぃや あひぃや…」と笑ってます(汗)
    2-5. 犬の背中で The fly and the flea
    アオガエルも犬も、オリジナルから入っていた声だったんですね。
    普通に歌っているので、スタンダードなカントリーにしあがってます。これといい、「うし蛙のハリス」といい、日本版は さと節が炸裂してるってことですね(笑)
    2-6. おお ミートボール! On top of spaghetti
    オペラ歌手の振りをして、カンツォーネ風を狙って歌っているのかもしれません。
    2-7. 電気掃除機の悪夢 Vacuum cleaner hoses
    やかましさは同じ(え) しっかりロックン・ロールしています。
    「デグデグデグデグ」みたいな合いの手(?)や高音のコーラスはオリジナルの音みたいです。
    こおろぎ’73が やたら連発していた「ママ~」というセリフは全くありませんでした。助けを求めてはいるようだけど…。

    こおろぎ’73版「それゆけ!ドナルド!!」収録曲の感想については、すでに書いてあるので、ここではパス。
    オリジナル版と比べてみて、あらためて、こおろぎ’73の弾けっぷりは、類稀なるハイテンションなのだと思い知らされました。世界に通じる技です。USA版を聴いたことのある人には、こおろぎ’73版も聴いてみてほしいものです。
    っていうか、なんでオリジナルの方がCD化されているのに、こおろぎ’73版はCDになってないの~!?

    USAブエナビスタ版 「Disney’s Goin’ Quackers !」
    Side One
    1. Goin’ Quackers
    2. I’m in love with a big blue frog
    3. The horses run around
    4. Turkey in the straw
    5. The limerick song
    6. Harris, the bullfrog
    7. A waddlin’ crazy guy

    Side Two
    1. Dueling Quackers
    2. Daddy’s whiskers
    3. Throw it out the window
    4. If I only had a brain
    5. The fly and the flea
    6. On top of spaghetti
    7. Vacuum cleaner hoses

    starring / Donald Duck, Goofy and Mickey Mouse
    featuring / Willio & Phillio, Larry Groce and Disneyland Children’s Sing-Along Chorus
    Disneyland Records 2513 (1980)

    日本コロムビア版 「ウォルト・ディズニーの それゆけ! ドナルド!!」
    1面
    1. それゆけ!ドナルド
    2. ぼくの恋人  (作曲/Leslie Braunstein)
    3. お馬がいく  (民謡)
    4. わらの中の七面鳥  (民謡)
    5. ペルーの男  (民謡)
    6. うし蛙のハリス  (作曲/Larry Groce)
    7. ワドリン・ダック  (作曲/Phil Baron)

    2面
    1. 決闘!ドナルド!!
    2. 父さんのひげ  (民謡)
    3. 二階の窓から  (民謡)
    4. もしぼくが天才だったら  (作曲/E.Y.Harburg & H.Arlen)
    5. 犬の背中で  (作曲/Larry Groce)
    6. おお ミートボール!  (作曲/Tom Glazer)
    7. 電気掃除機の悪夢  (作曲/Phil Baron)

    歌/森の木児童合唱団、こおろぎ’73(2-1、2-7は こおろぎ’73単独)
    訳詞/笠原てい子 合唱編曲/久石譲 合唱指揮/川田正子
    DISNEYLAND RECORD CZ-5024-DR (1982)