今人はっぴょう会#XI by なにわのご隠居さん ➁

【2部】

9.二人の銀座
こちらもインストゥルメンタルでの演奏でした。
ベンチャーズが銀座の夜景からイメージして作曲。英語題は「Ginza Lights」。1966年7月にリリースされたアルバム『Go With The Ventures』に収録。 永六輔が詞をつけ、山内賢と和泉雅子がデュエット歌ったシングル盤が1966年9月にリリースされて、日本ではそれが大ヒットしました。 私は、この山内賢と和泉雅子のデュエット版を幼少期に耳にしていて、それがお気に入りだったのですが、ベンチャーズの曲とは全然意識していませんでした。でも、改めて聴くと、それっぽいサウンドになっていますね。

10.お嫁においで
1966年6月15日にリリースされた加山雄三の楽曲。
ハワイアン風の夏の海をイメージさせる歌なので、季節はずれにはなるのですが、明るくて楽しい歌なので、当時は私達子供でも知っているほどの大ヒット曲でしたね。

ここでは、岸さんがギターをウクレレに持ち替えて、演奏しながら歌ってくださいました。ホント、岸さんの歌声は、加山雄三ナンバーが良く似合います。

11.みずいろの手紙(リード:浅見千鶴さん、コーラス:佐藤さん)
作詞:阿久悠 作曲:三木たかし
1973年9月にリリースされたあべ静江の2枚目のシングル曲。1973年5月リリースのデビュー曲「コーヒーショップで」に次ぐヒット曲です。翌1974年の「第25回NHK紅白歌合戦」にもこの曲で出場しています。
あべ静江自身は当初この歌が「男性に媚びたような、自分が嫌いなタイプの女性の思いを綴った詞」だと思って、嫌いで歌うのを封印していた時期もあったそうです。でも、久しぶりにステージで歌った時に目の前の人がハラハラと泣く様子を見て、「一度歌って世に出した歌は、聴いてくれる人の思い出とつながっているんだから、もう私の歌ではない。そのことに気づいてから、ひとつの作品として素直に歌の世界に入り込めるようになった」と語っているそうです。

12.帰れない二人(リード:岸さん、コーラス:佐藤さん)
作詞:忌野清志郎 作曲:井上陽水
1973年9月にリリースされた井上陽水のシングル盤『心もよう』のB面に収録されていた曲。当時、24歳だった井上陽水と22歳だった忌野清志郎と云う異色のコラボによる2人が、才能を発揮し合ってできた楽曲です。

13.硝子の少年(リード:佐藤さん コーラス:岸さん)
作詞:松本隆 作曲:山下達郎
1997年7月にリリースされた「KinKi Kids」のデビューシングル曲。
山下達郎は作曲に関してかなりの困難を極めたそうですが、70~80年代を代表するヒットメーカーで、ジャニーズでも数多くのヒット曲を手掛けてきた作曲家・筒美京平を引き合いに「筒美京平だったらどういう曲を書くのか?」という視点で曲を完成させたそうです。
また「KinKi Kids」の2人に山下達郎は「大丈夫だよって。あなたたちが40歳になっても歌える曲だから」と伝えたそうです。

14.グッド・ナイト・ベイビー(リード:田尻さん、コーラス:岸さん、佐藤さん)
作詞:ひろ・まなみ 作曲:むつ・ひろし
1968年にリリースされた「ザ・キング・トーンズ」のファーストシングル曲。「ザ・キング・トーンズ」は、1960年2月から活動する4人編成の日本の音楽グループで、“ドゥーワップ”と呼ばれるR&Bテイストを主体としたコーラスワークと、リーダーである内田正人のハイトーンのリードテナーが評判でした。

今回の演奏では、田尻さんがそのハイトーンの雰囲気を再現してくれていました。メンバーが次の曲のセッティングで準備をしている間に、岸さんがMCで喋ってくれたお話しとして、ギターはキーを変える時にカポタストを使うのですが、ベースはそれが使えないのだそうです。私は、アコースティックギターを少しだけ齧った(全然弾けませんが)ことがあったのですが、カポタストでキーを変えて演奏しやすくするのが当たり前だと思っていたので、ベースにはそれが適用できないと云うことを始めて知りました。

ここで、ステージ後方のスクリーンに映像が投影されます。ここからの楽曲は、客席にいるお客さんにも一緒に歌ってもらおうと云う趣向で、歌詞がスクリーンに映し出される形で進められました。

15.遠い世界に(リード:浅見千鶴さん、コーラス:岸さん、佐藤さん)
作詞・作曲:西岡たかし
1968年5月8日にフォークグループ「五つの赤い風船」のデビュー曲「恋は風に乗って」のB面としてリリースされましたが、翌年にAB面を入れ替えて同じ品番で再リリースされました。
合唱曲としても人気が高く、中学校の音楽の教科書(音楽之友社)にも採用されたことがあります。1975年にはNHK『みんなのうた』でも、姉妹フォークデュオ「チューインガム」による歌唱で取り上げられ、その時の映像は、アニメーター・古川タク製作によるアニメでした。

16.銀河鉄道999(リード:岸さん)
作詞:奈良橋陽子(英語詞)・山川啓介(日本語詞) 作曲:タケカワユキヒデ
1979年7月1日にリリースされた「ゴダイゴ」11作目のシングル曲。 劇場版アニメ『銀河鉄道999 (The Galaxy Express 999)』(1979年)の主題歌として、1979年8月4日の劇場公開よりも先にリリースされて、大ヒットしました。

今回のステージでは、この曲がラストナンバーとなります。
この歌を紹介する時に『銀河鉄道999』の原作者・松本零士先生の出身地である北九州市で、2018年に「北九州市下水道100周年」を記念して、松本先生のキャラクターがデザインされたマンホール蓋が9種類制作されて、JR小倉駅周辺と北九州空港周辺に設置されているのですが、その画像や999号をイメージして企画された記念列車や、999号のデザインの元になった機関車C62、はたまたエヴァンゲリオンのデザインの新幹線など、マンホールと鉄道に関する画像が次々に表示されました。このスライドを表示している浅見正和さんが、マンホールマニアであり、鉄道マニアでもあるそうで、その辺りの知識が溢れ出ていましたね。

同級生として長年付き合いがあるはずの岸さんが、正和さんの方を向いて、「えっ、鉄ヲタ?」と驚いていました。何で、今まで知らなかったのでしょうか? 
さらに、正和さんは“ダムマニア”でもあるそうで、マンホール、鉄道、ダム、と根が深くなりそうな趣味を3つも持っているとは・・・「今人」のメンバーって、やはりタダモノではないですね。

閑話休題。映画『銀河鉄道999』の最後でこの曲が流れる前に、夕空に向かって飛び立つ999号を見上げる主人公・星野鉄郎の背中を遠景で映し出すシーンで、城達也さんによるナレーションが入ります。
「今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る。今、万感の思いを込めて汽車が行く。ひとつの旅が終わり、また新しい旅立ちが始まる。さらば、メーテル。さらば、銀河鉄道999。さらば・・・少年の日よ」
この映画では、本編が始まってからは、序盤に999号が鉄郎を乗せて宇宙に飛び立つシーンでB面の副主題歌「TAKING OFF!」が流れるものの、大ヒットして世間的にも認知度が高いこの主題歌が、ずっと流れずにいます。そして、ラストで999号を見送った鉄郎が、踵を返して走り始め、エンドクレジットが流れるその時に、初めてこの主題歌が、グッと印象的に流れるのです。当時高校生だった私は、この心憎い演出にすっかり魅了されて、最後にダーッと涙を流してしまいました。

今回のステージでは、このナレーションをスクリーンで再現して、そこから演奏がスタートしました。「銀河鉄道999」の演奏が終わって、本編が終了するわけですが、岸さんが「これで終わり?」と、今演奏した曲がラストソングだったことに気がついていませんでした。

そして、やはり“お約束”どおり、アンコールがかかります。

【アンコール】
17.翼をください(リード:浅見千鶴さん、岸さん、佐藤さん)
作詞:山上路夫 作曲:村井邦彦
フォークグループ「赤い鳥」が、1971年2月5日にシングル『竹田の子守唄』のB面曲としてリリースし、1976年以後、音楽の教科書にもたびたび掲載され、合唱曲として有名となり、1970年代後半から学校教育の場でもよく採り上げられるようになっていて、日本では老若男女を問わず誰もが歌える愛唱歌として知られています。

岸さんから客席に向かって「最初から大きな声で歌ってください」と呼びかけがあり、最後の方ではリフレインを「客席からの声が聴こえるかな?」と云う意図で、岸さんがステージの前の方にて出て来て、耳に手をかざして客席に大きな声で歌うように示唆します。そんな感じで、客席を巻き込んでの大合唱となり、フィナーレを迎えました。

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13:30に開演して、15分間の休憩を挟んで、15:33に終了となったので、約2時間のステージでした。 昭和時代の懐かしい楽曲が多く、特に私が大好きな歌が歌われたこともあって、もっと長い時間聴いていたような内容の濃い発表会でした。

岸さんを始め、「今人」の皆さん、そしてこの発表会の開催に携わられた関係者の皆さん、本当に楽しくステキな時間を過ごさせていただき、ありがとうございました。
(なにわのご隠居)


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