ヒットメドレー ~「花咲じいさん」「秘密戦隊ゴレンジャー」「それゆけバンバン」「がんばれドカベン」~
今回のライブに集まったお客さんの中には、「こおろぎ’73」と聞いても歌った歌や活動などにピンと来る方が少なかったせいか、グループ結成や当時の活動のことなど、グループの紹介を交えつつ、思い出話をしつつ歌を歌っていくというような形でした。
そういう話を改めて聞くことのできるチャンスなど無いと思っていたので、ご本人たちの口からお話が聞けたことは、ファン歴の浅い私にとっては幸運でした。これが、ファンしか集まらないようなライブとなると、一からの自己紹介なんて聞けませんもんね。
ところで、「メドレー」とは書かれていますが、上記の4曲を繋いで編曲したものではなく、短いフレーズを歌いつつ当時のエピソードを語るという感じでした。
伴奏は、さとさんが奏でるアコギ一本です。
私は演奏されている姿を見ながら、おっきな手だなあ~と、妙なところに感動してました。
こおろぎ’73は、1972年に「1973年に向けて1年だけ頑張ってみよう」と結成されたグループだったんだそうです。だけど、「気がつけば何年だっけ?10年以上やってたんだっけ?」だって。
津島さん、岸さんが「ステージ101」のヤング101出身だという話も出てました。お客さんの中からも「ああ~」と、知ってるぞ…というような声があがってましたっけ。
津島さんなんかスクールメイツからやっているから、芸歴はもっと長いぞということでした。そうですよねえ、それに、こおろぎ’73歴もメンバーの中で一番長いんですよね。
で……、さとさんは?
さとさんが こおろぎ’73に入ったキッカケだけ分からないんですけど~。さとさんだけはヤング101じゃなかったですもんね。うーん、気になります。
でも、さとさんって、流れるような名MCでお客さんの心をつかんでしまうくせに、ご自分のこととなると妙に言葉少なになっちゃうんです。だから、詳しいことが聞けませんでした。もしかして…さとさんって照れ屋さん?
「花咲じいさん」
最初の「パーパ パーパーパ~~~♪」のハーモニー部分で、もうすっかり飲まれてました。「うわー、レコードと同じ声だ~~」と、お約束な感動をし、引退されていたとは思えない息の合いように驚き、歌声でしか聞くことのできない(?)岸さんの低音にゾクゾクしました。
ただ、歌われたのは前奏10小節と、最初の2フレーズ、後奏11小節だけだったんで、あっという間に終わっちゃったんですが。
この歌は、こおろぎ’73のデビュー曲…サントリー・レッドのCMソングです。掲示板でどなたかが教えてくれたことありますが、宇津井健さんが出演されていたコマーシャルでした。(乾杯されているシーンがあったとか?)
プログラムのグループ紹介にも書かれていましたが、この歌、大ヒットだったそうです。当時のことを覚えてないので、なんだか実感わかないんですけど、なんでも、地方によってはオリコン1位を記録したとか。水戸や静岡方面では大人気だったそうです。だから、静岡でラジオ番組を持っていたことがあったんでしょうかね??
当時 どこかの都市でサイン会が開かれたとき、すごい人数の行列があって、警備員まで付いていて、いったい誰が来るんだろうと思っていたら自分たちのイベントだったということがあり、驚かれたこともあったそうです。
「秘密戦隊ゴレンジャー」
続いて、コロムビアに所属していた こおろぎ’73は、多くのアニメの歌や子どもの歌を歌ってきました…という話になりました。
そこで、「初めて歌ったアニメの歌を…」と言われるので、最初のアニメだったら「ジムボタンの歌」かなあ、でも…×おろぎ’03だけで歌うのだから「ぼくらきょうだいてんとう虫」のほうかな…などなど、短い間にいろいろ考えてしまいました。
ところが「ゴレンジャーの歌をね…」って、それ”アニメ”じゃないよ~。
きっと、こおろぎ女全員、心の中でツッコミ入れていたと思います。しかも歌のタイトルを「5人そろってゴレンジャー」という さとさん。それは番組内の台詞ですよう。
まあ、そんな細かいことはさておき、例の超有名な「バンバラバンバンバンっ」を歌ってくれたのでした。この部分、ゴレンジャーの歌だと知らずに覚えている方も多いみたいですね。(たぶん、それはナンチャンのせいなんだけど…)
3人の口がピッタリ揃っての「バンバラ…」は、力強くて爽快でした。×おろぎ’03だけで歌う「秘密戦隊ゴレンジャー」(もちろん合いの手入り)って、貴重だ~!!
ところで、合いの手の「アッアーッ」や「ウッウー」なんですけど、やにわに腰を浮かせた津島さんがマイクに口を近づけて、ため息混じりに「あっあ~~」。
オリジナルの勢いとは全く別の なんとも妖しげな雰囲気で、しかも、立ち上がった姿そのものも妙だったので、聴いていた私たちは、思わず椅子から転げ落ちそうになりました。
歌そのものは、どれも元歌の雰囲気そのままに昔ながらの歌い方をされていて、そこがまた嬉しかったんですが、合いの手という細かい場面で、次はこうくるぞ…という予想を見事に裏切ってくれて、すっごく面白かったです!
「ゴレンジャ~ ゴ~レンジャァ~~」まで歌ったところで残りはカット。「この歌は こおろぎ’73と ささきいさおさんが歌っていたんです」との紹介に、私は密かに、たまには歌手名順が逆でもいいよね…と思ったのでした。
次に、これは ささきさんがメインの歌なので、こおろぎ’73が歌っていたパートだけを歌ってみようということになりました。
♪ジャンジャカジャン「アッア~」ジャカジャカジャンジャカ……ジャンジャカジャン「ウッウー」ジャカジャカジャンジャカ…♪
あ~ははは~!! 本当に、合いの手以外はギター伴奏だけだよ~ぉ!!
もう、それだけでも、面白いもの聴かせてもらって満足だったのに、「それでは、こんどは皆さんが合いの手を入れてください」って…。
ええ~っ? ×おろぎ’03の歌に合いの手入れてもいいんですか~、と壊れかける私。こんな体験、やろうと思ってもなかなかできることじゃない…と、密かに闘志を燃やしてしまいました。
多分、他のみなさんも似たような気持ちだったのでは? 金太郎さんが かなり大きな声で「オッオーッ」って間違えたのも、張り切っていたからですよね!(ばらすな~)
金太郎さんは、即、さとさんに「あの男が間違えた」ってツッコミ入れられてました。
いやーん、羨ましい(笑)
この時点で、その場の全員が×おろぎ’03ファンになってましたね。<贔屓目?
隣のテーブルの男の子からは、「上手ーっ」なんて声援も飛んだりして、それに岸さんが笑顔で手を振っちゃったりなんかして、ほのぼの感もUP! 「もう3年もすれば、うるせーバカヤローって言うようになる」という、さとさんの水差し発言にも負けず、会場全体が和みました(笑)
それをキッカケに「子どもっていいですね~」という話になって、TVの子ども番組に出演していたという内容に。
「それゆけバンバン」
山田美也子さんとされていた番組が2年、大場久美子さんとが1年とおっしゃってました。それぞれ、「あそびましょ!パンポロリン」、「とべとべパンポロリン」と、「おはよう!こどもショー」のことですね。(ちなみに、こどもショーの頃には、岸さんはいませんでした)
さとさんが「これっくら~いの おべんとばっこに♪なんてやってたんですよ」というと、会場からどよめきが。歌は知られているのに顔は知られていないというのを証明してしまったような感じです。TV出演されていたのにね…。
さて、その子ども番組から「あそびましょ!パンポロリン」の副主題歌を歌ってくれることになりました。だけど、歌いだしてすぐに止まってしまう×おろぎ’03。どうやら、さとさんがギターの調子を合わせてなかったせいで、歌いだしが揃わなかったようです。「恥ずかしー」と岸さん。「俺なんか家で練習してきたのに」と、さとさんの練習不足を責める津島さん。遅刻へのツッコミに対する仇を討つかのようでした。
気をとりなおして最初から。
3声しかないので一番上のパートが抜けていたのが残念でしたが、そこは自分の頭の中で補完しておきました。
この歌も一部分だけ…数え歌風のところだけの抜粋でした。「バンバ~ン」のハーモニーにうっとりしているところで止められ、もっと聴いていたいと思ってしまいました。
その気持ちが通じたのか(違)、さとさんが先ほど歌った部分の歌詞を朗読。「これって景気いい歌で、不動産屋が喜びそうだよね~」って。思ってもみませんでしたが、言われてみればそうですよね。バンバン、ビルが建っちゃうんだから。そして、同じく さとさんが「30年前のあの頃は高度成長期で経済右肩あがりで…」と言いつつ、「それゆけバンバン」の替え歌を紹介してくれました。タイトルを付けるとしたら「地上げ屋バンバン」<草吉くん命名
「~30坪の地上げした……60坪の地上げした……90坪の地上げした……日本中の地上げした~♪」
……あ~~、ね~~~。 <なんとコメントしていいのか分からない
津島さん、90坪のところで間違って元の歌詞を歌い掛けちゃいました。ツッコミ係りの さとさんが何にも言われなかったので、そこに触れるのは反則? いや…でも…、家で練習してきたって言った後に間違えちゃヤバイんじゃありませんか、津島さん?<言うなーっ
「がんばれドカベン」
さてさて、次はアニメの歌です。
で、いきなり初耳の話題が出てきました。ドカベンのレコードって、ゴールドディスクを取られていたんですね。し、知らなかった…。
ドカベンLPって、アニメのレコードにしては珍しく こおろぎ’73の写真が付いていたりして、「こおろぎ’73が歌ってま~す」ということをアピールするかのようなアルバムになってますが、それが賞を取っていたとは!
遅ればせながら、おめでとうございます!!(><)
その、貰ったゴールドディスクなんですが、メンバーは4人。ドーナツのように4等分するわけにもいかないということで悩まれたそうです。
で、結局、さとさんが「いい考えがある」と、ご自分で持って帰られ、今では佐藤家の物置に保管されているんだそうです。物置~? さとさん、津島さんと岸さんに「すまんなー」って頭下げてらっしゃいました。それを聞いて、屋外に置くタイプの、”100人乗っても大丈夫っ”な物に収納されているところを想像してしまったんですけど…、まさかね…???
この歌は、1番丸ごと歌ってくれました。ユニゾンな歌で息もピッタリでした。引退されていたというブランクなど全然感じなかったんですけど、それは私だけ? (陶酔しきっていたせいで、感想が甘くなってたりして?)
歌い終わってから、さとさんが、ワンフレーズばっかりで短いんですけど…と、おっしゃってました。「だって2番は知らないんだもん」って。そりゃないよ~、せめて「覚えてない」って言ってよ~(笑)
もしかして、「がんばれドカベン」が3番まであるってこともご存知なかったりして…。
いやいや、覚えてらっしゃらないだけですよね! <そもそも冗談でしょ
メドレーの曲名を見ていて思ったんですけど、じつに考え抜かれた選曲のような気がします。これらは、岸さんのいらっしゃった時代の こおろぎ’73を紹介するには、抜くことのできない歌たちだと思いました。それに、フォーク(CMソング)、特撮ソング、子ども番組主題歌、アニメソング…と、歌のジャンルも こおろぎ’73が活躍していた分野を象徴するかのようです。この後に、こおろぎ’73オリジナル・ソング、童謡の輪唱、スタンダード曲でのハーモニー…と続くことを考えても、すごく贅沢なプログラムでした。